FX外国為替証拠金取引と通貨ペア

国際通貨(国際決済通貨、基軸通貨)

外国為替において、国際通貨と呼ばれる通貨があります。
代表的な通貨として、国際的な信用がある、国際的な銀行において取引が可能である、あらゆる場所で換金が可能であるといったことを要件に国際決済通貨(ハードカレンシー)があります。

国際決済通貨(ハードカレンシー)

通貨名称 表記 発行国
アメリカ・ドル USD アメリカ合衆国
ユーロ EUR ヨーロッパ連合
イギリス・ポンド GBP イギリス
スイス・フラン CHF スイス
日本円 JPY 日本
カナダ・ドル CAD カナダ
デンマーク・クローネ DKK デンマーク
スウェーデン・クローナ SEK スウェーデン
ノルウェー・クローネ NOK ノルウェー
オーストラリア・ドル AUD オーストラリア連邦

※シンガポール・ドル(SGD)や香港ドル(HKD)を加える場合や、さらにニュージーランド・ドル(NZD)を加える場合があります。

また、国際決済通貨(ハードカレンシー)とは別に国際為替市場において中心的な役割を果たしている通貨を基軸通貨(キーカレンシー)と呼びます。基軸通貨は、通貨価値が安定している、高度に発達した為替市場と金融・資本市場を持つ、対外取引規制がないといったことが要件であるとされ、古くはイギリス・ポンドが、第二次世界大戦後はアメリカ・ドルがその役割を主に担ってきました。ヨーロッパ連合の統一通貨単位として設けられたユーロは現在のアメリカ・ドルと同等の役割を担うことが期待されていますが、已然アメリカ・ドルが優位な状況となっています。

アメリカ・ドル(USD)とユーロ(EUR)を指して、世界二大通貨。日本円(JPY)またはイギリス・ポンド(GBP)を加えて世界三大通貨と呼ぶことがあります。

通貨ペア

FX、外国為替証拠金取引では、国際通貨のペアで取引が行われます。「○○○/円」のような円を軸とした組み合わせのうち、「ドル/円(USD/JPY)」のみを「ドルストレート」、そのほかを「クロス円」と呼びます。 アメリカ・ドルが基軸通貨(キーカレンシー)であるためにこのような呼び方をします。アメリカ・ドルと日本円は直接交換することができるためにドルストレートと呼び、そのほかの通貨はいったんアメリカ・ドルに交換した後にそれぞれの通貨に交換する、つまりドルをクロスさせるために呼ばれます。 それでは、代表的な通貨ペアをご紹介します。

【米ドル/円】USD/JPY

ユーロ懸念の中では共に「安全通貨」。両国の景気回復と金融政策がカギ。

世界の基軸通貨アメリカドルと、日本円を交換する取引です。1ドル=360円から始まった米ドル/円の歴史は1973年に変動相場制へ移行。プラザ合意を経て1987年12月には1ドル=121円台まで下落したのち、95年4月には79.75円の当時史上最安値に。その後100円~130円での取引となりましたが、サブプライムローン問題に端を発する金融危機により再び1ドル=90円~100円台に。さらに2008年のリーマン・ショックによっていっそう円高が進みました。2011年10月31日には75.32円と最安値を更新。この年3度にわたって政府日銀による為替介入があったにもかかわらず結局は79円台~80円台を推移。その後は市場の関心がユーロへの懸念に集まっており、米ドルも円も「安全通貨」としてともに買われる傾向にありますが、米経済指標が相次いで悪い数字を示しているため「追加緩和」などのさらなる金融政策を巡ってさまざまな見方が交錯しています。 ≪主な変動要因≫米雇用統計を始めとする経済指標、両国の金融政策、要人発言が相場の変動要因となります。日本政府・日銀による為替介入によって急激に相場が動くこともあります。

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【ユーロ/円】EUR/JPY

ギリシャ不安はやや後退も問題は山積。EU首脳会議は常に注目。

1992年、いわゆるマーストリヒト条約によって定められたヨーロッパ連合域内の統合通貨ユーロ。導入された1999年当時は1ユーロ=132円でスタートしました。発足直後から下がり続けたユーロは2000年に88.98円まで値を下げたところで日・米・欧の協調介入によって底打ち。その後一転して上昇を始めます。翌年から8年連続で高値を更新し2008年には169円の過去最高値を記録。しかしその年秋のリーマン・ショックによって世界景気に対する懸念が拡大。ユーロ/円相場は一転して下落基調となりました。さらに2010年にギリシャをはじめとするユーロ導入国の財政不安が広がると下落基調が強まり、2012年5月末には96.48円と、2002年にユーロが現金として出回るようになってからの最安値を更新しました。ギリシャ情勢への懸念はやや後退したものの、イタリアやスペイン国債の利回り上昇など懸念材料は後を絶たず、今後のEU各国首脳の手腕に期待が集まります。 ≪主な変動要因≫定期的に開催されるEU首脳会議の結果や、それを巡る各国首脳の発言等に反応する傾向にあります。またユーロ圏の中心国であるドイツ、フランスの経済指標も注目されます。

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【英ポンド/円】GBP/JPY

短期でも長期でも荒っぽい値動き。ユーロとの関係にも注目。

かつての大英帝国の通貨であり、世界の基軸通貨であったポンド。変動相場移行後の1982年には400円ほどだった英ポンド/円は1998年8月、241円近辺に。アジア金融危機などをきっかけに2000年9月、148円台まで下落したのち、イギリスの経済成長によって長期的な上昇トレンドに入ります。2007年ごろには利上げ期待もあって240円~250円ほどのポンド高となりますが、サブプライムローン問題、リーマン・ショックを経て下落。結局2011年9月には116.80円と史上最安値を更新しました。このように英ポンド/円相場は短期長期に関わらず値動きが荒く、変動幅も大きいのが特徴です。2006年から2008年にかけてはインフレ懸念から政策金利を引き上げていったことなどもあってデイトレーダーにも人気が高まりました。意外にも世界第9位を誇る原油輸出国であることや、アイルランド情勢、ユーロとの微妙な関係性などが絡み合い、時に激しく乱高下することもある通貨ペアです。 ≪主な変動要因≫各経済指標や要人発言が相場変動の要因となります。また、通貨は違っても最重要貿易相手はEU諸国。今後のユーロ情勢いかんではEU支援の可能性も。ユーロとの関係性に注目です。

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【オーストラリアドル/円】AUD/JPY

相次ぐ利下げも、依然高金利。欧州・米国情勢回復でのリスクオンに期待。

資源国通貨オーストラリア・ドルはスワップポイントが魅力の高金利通貨であるとともに、天然資源に恵まれた「資源国通貨」という特徴を持っています。2000年に55円台前半をつけた原因となった景気悪化も、金融政策等の効果で回復。政策金利が2007年11月には6.75%にまで引き上げられたためさらに人気を呼び、豪ドル/円は107円台にまで上昇しました。2008年秋のリーマン・ショックによる世界経済の混乱期には1ヶ月間で30%以上も下落して54.96円の史上最安値。中長期周期で大きな上下動を繰り返している格好です。再び景気が回復し利上げが人気を呼んだ2011年4月には90円ちょうど付近まで上昇しました。その後78円~81円台を推移する中2012年に入って5月に0.5%、続けて6月に0.25%の利下げ。リスクオン通貨の代表格としてはユーロ情勢やアメリカ経済の行方が気になるところです。資源国通貨であるため、原油の価格なども為替相場に影響します。 ≪主な変動要因≫オーストラリア準備銀行(中央銀行:RBA)が発表する政策金利が、高金利狙いの外貨が流入するかどうかに影響します。また、株安などのリスク回避局面では豪ドルも売られる傾向にあります。

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【ニュージーランドドル/円】NZD/JPY

金融政策の違いから、豪ドルとの連動性は薄れつつあるか。

ニュージーランド最大の輸入相手国・輸出相手国はともにお隣のオーストラリアです。その依存度の高さゆえ、NZドル/円相場は、豪ドル/円相場に似た動きをするという傾向にあります。1990年代後半から2000年にかけて続いた国内の不況により下落し続け、2000年10月にNZドル/円相場は42円付近まで下げました。しかしその直後あたりからは改革が実を結んで再び景気は上向きとなり、国家財政も黒字化。さらに高い政策金利も注目を集めたことからNZドル建て債券や外貨預金も人気を呼び、2007年7月には97円台をつけました。サブプライムローン問題、リーマン・ショックによって米ドル/円相場が下落したことに伴い、NZドル/円も下落。2009年2月には8年3ヶ月ぶりの安値水準となる44円台を記録しました。その後NZドル/円は反発していますが、2008年後半からはたて続けに政策金利が引き下げられています。 ≪主な変動要因≫政策金利が引き下げられたとはいえ、他の先進諸国に比べればまだまだ高い。また復興需要によって金利引き上げの可能性も。ニュージーランド準備銀行(中央銀行:RBNZ)が発表する政策金利に注目です。

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【カナダドル/円】CAD/JPY

アメリカへの依存度は高いが自国経済は安定。原油相場にも注目。

アメリカとの経済的な結びつきが強いカナダ。カナダドル/円相場は当然米ドル/円相場に強く影響され、カナダ経済自体は成長している時期でも、米国景気後退の影響で下落した米ドル/円につられる格好でカナダドル/円相場も下落します。特に1995年4月、米ドル/円が当時史上最安値となる79円台をつけた時には、カナダドル/円も58円台にまで大きく下落しました。以降米ドル/円相場に影響される傾向は2005年前半まで続きますが、2005年中盤あたりからは米ドル/円が下落する一方で、カナダドル/円は上昇するというケースも目立つようになりました。原因の一つは原油価格の高騰。豊富な石油埋蔵量を誇るカナダの「資源国通貨」としての特性により原油相場の動向が為替相場に大きく影響するようになっています。他の通貨同様、2008年秋のリーマン・ショックによって急落し、2009年1月には13年5ヶ月ぶりの68円台に。その後やや反発を見せています。 ≪主な変動要因≫米ドルと同様に主な経済指標、要人の発言などが変動の要因となります。また原油の埋蔵量が世界第2位と豊富なことから、中東情勢もからめて原油価格の動向にも影響を受けます。

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【スイスフラン/円】CHF/JPY

有事に買われる安定通貨。対米ドル、対円ではユーロに同調する傾向あり。

永世中立国スイス。通貨の上でもユーロとは一線を画しています。とはいえスイスの貿易対象地域の9割がユーロ経済圏であるため対米ドル、対円ではユーロの動きに同調するという傾向があります。1990年には110円台に乗せていたスイスフラン/円相場は、ユーロ/円の下落につられるように2000年9月には58円台に。しかし、2001年米国の9・11テロや2003年のイラク戦争開始時などにはいわゆる「有事のスイスフラン買い」が進み、さらにその後2008年7月には105円台に乗せます。リーマン・ショックにより2008年12月には一時75円を割り込みますが、2011年8月には欧州債務危機深刻化を受けて買いが進み、さらに日本政府・日銀の円売り介入で108円台後半まで上昇しました。しかし、同年9月にスイス中銀がユーロに対する目標上限レートを設定して無制限のフラン売り介入を宣言。83円台まで急落した後は、3ヶ月程度の周期で上下動を繰り返しています。 ≪主な変動要因≫2010年以降の中東・アラブの民主化運動激化、さらには欧州債務危機でもそうであったように「有事のスイスフラン買い」で上昇します。ただし、すぐに元に戻ることもあるので要注意です。

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【ユーロ/米ドル】EUR/USD

ギリシャ不安は一服も次なる懸念が。両経済圏の金融政策と要人発言に注目。

世界で最も多く取引されている通貨ペアがこのユーロ/米ドル。2008年7月にはユーロ圏経済の堅調さを反映し史上最高値の1.60ドル台をつけました。しかしリーマン・ショックで下落、さらにユーロ圏の財政不安がイタリアやスペインにも広まった2012年には1.25ドル台を割り込んでいます。円を介さない取引はイメージしにくいかもしれませんが、世界を代表する通貨だけあって、相場全体をつかみやすい通貨ペアであるともいえます。基本的には米ドルが弱い要素があるときは対円でも対ユーロでも下がりやすいと言えます。欧州統一通貨であるユーロには米ドルの代替通貨としての役割があるので、ドルが売られるとユーロが買われ、ドルが買われるとユーロが売られる傾向にあります。つまり、たとえば米ドルに変動要因があるとき、ユーロ/米ドルの反応は対米ドルの他の通貨ペアよりも速く、その逆の場合も同じことが言えます。 ≪主な変動要因≫ユーロ圏や米国の金融政策、要人発言等が相場に影響します。流動性が高いため短期的な要因に大きく左右されることは少なく、テクニカル分析に向いているとも言われます。

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【ポンド/米ドル】GBP/USD

投機的な取引が多く、値動きが激しい。イギリスとEUの関係性に注目。

ポンド/米ドルが活発に取引される時間帯は日本時間の17時以降から。その時間にヨーロッパの投資家たちが市場に参入しはじめ、取引は徐々に熱を帯びてきます。特徴としてあげられるのは値動きの激しさ。ポンドがかつて高金利通貨だったこと、米ドルやユーロなどに比べ流動性が低いこと、ロンドン市場が世界最大の金融市場であり、世界中から投機マネーが集まることなどから、投機的な取引の割合が高いことで知られています。リーマン・ショックによる相場下落から当時史上最安値を記録。その後はやや持ち直したものの欧州財政問題の悪化懸念からユーロが売られたことで、関連性の高いポンドも売られています。現在はユーロ圏を始めとした各経済指標に素直に反応する傾向にありますが、最近の特徴としては、一方的に続いていた流れが変わると、反対方向への動きがしばらく継続する傾向があるようです。さあ、欧州不安で下げたあとはどう動いて来るでしょうか。 ≪主な変動要因≫欧州債務危機の影響を直接受けずに済んでいると言われるイギリスですが、主要貿易相手はユーロ諸国。やはり今後もユーロ圏の金融政策、EU首脳会議の行方に影響されそうです。

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通貨ペアの選択

実際に取引する通貨ペアは、トレードスタイルにあわせて検討するべきでしょう。取り扱う通貨ペアはFX(外国為替証拠金取引)会社によって異なりますが、少ないところでは、米ドル/円(USD/JPY)、ユーロ/円(EUR/JPY)、英ポンド/円(GBP/JPY)、豪ドル/円(AUD/JPY)、NZドル/円(NZD/JPY)、スイスフラン/円(CHF/JPY)、カナダドル/円(CAD/JPY)の7種類。FX会社としては、これにユーロ/米ドル(EUR/USD)、香港ドル/円(HKD/JPY)、ポンド/米ドル(GBP/USD)を加えているあたりが最も多いでしょうか。会社によっては、100種類を超えた通貨ペアを取り扱っている会社もあります。 たくさんの通貨ペアはトレードの楽しみとなりますが、実際に投資を行うとするならば、しっかりと値動きを見極めなければなりません。一度にたくさんの通貨ペアを確認することはできませんので、自分のトレードスタイルにあった通貨ペアがある会社を選びましょう。

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